耐震

抜出し性能

斜角部の耐震計算

斜角部は、斜切面同士がボルト連結により耐震計算上は、一体であるものとして検討を行います。
そのため、耐震計算では製品L寸法を長く、SJ-BOXのゴムリング継手間隔、右図でL1+L2の長さで計算を行います。
また、ボルト連結で耐震計算上一体であるかの照査は、ボルト連結により製品重量に相当する力がボルト連結部に作用しても問題がないかの照査を行います。
これは、製品重量相当以上の力がジョイント部に作用した場合、隣のSJ-BOXの目地部が動いて、ボルト連結部に大きな応力が発生しないと考えるからです。
以上のような検討方法でゴムリング継手のある製品、SJBOXの斜角部の耐震検討を行っています。
なお、斜角面がレベル1地震動に止水性を確保できるように土木用ウレタン系シーリング材で内目地をすることを標準としています。また、このような考え方の妥当性をFEMによる試算を行い、確認をしています。

人孔際の耐震計算

人孔際は、ヒューム管と同様に短函を人孔際に配置することにより、SJ-BOXゴムリング継手部の可とう性を活かして、耐震検討を行なうことを標準としています。
このようにすることにより、高価な可とう継手を使うことや特殊な施工をすることがなく、耐震性を確保できます。

下水道施設の耐震設計について(参考)
<下水道施設の耐震対策指針と解説-2014年版- より>

1. 耐震設計に用いる地震動レベル

下水道施設の耐震設計においては、施設の供用期間内に1~2度発生する確率を有する地震動(レベル1地震動)と供用期間内に発生する確率は低いが大きな強度を持つ地震動(レベル2地震動)の、二段階の地震動を考慮する。

■ 耐震設計上の設計地震動(土木構造物)

想定地震動区分 想定地震動区分別の地震動の内容
レベル1地震動 施設の供用期間内に1~2度発生する確率を有する地震動
レベル2地震動 施設の供用期間内に発生する確率は低いが大きな強度を有する地震動

2. 保持すべき耐震性能

下水道の耐震対策において、新設する下水道施設に求められる性能は、設計地震動レベルや下水道施設の重要度に応じて設定する。
管路施設の場合、「重要な幹線等」はレベル1地震動に対して設計流下能力を確保するとともに、レベル2地震動に対して流下機能を確保する。

管路施設における「設計流下能力の確保」とは、流量計算書に記載された当該管きょの流下能力の確保をいい、具体的には、当該管きょの抜出しを防ぐとともに管きょ断面に発生する応力が許容応力度以内の状態を示す。
「流下機能の確保」とは、地震によって本管部のクラックや沈下等の被害が生じ、設計流下能力の確保が困難となっても補修や布設替え等の対策を講じるまでの間は、管路として下水を上流から下流に流せる状態をいい、具体的には土砂の流入を防ぐとともに、管きょ断面がひび割れを起こしているが破壊しない状態を指す。

■ 新設する管路施設の耐震性能

耐震性能1 耐震性能2
レベル1 地震動 レベル2 地震動
重要な幹線等
及び
その他の管路
設計流下能力を
確保できる性能
重要な幹線等 流下機能を確保できる性能
軌道や緊急輸送路
等下の埋設管路
流下機能を確保できる性能
交通機能を阻害しない性能